キューバと俺 

キューバの虜になった大学生。

「革命の国に生きる人たちとの1ヶ月」

こんにちは、ちぇかしです。

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いきなりですが、あなたの5分を僕、キューバに投資してください。

 

 私は、一年前にキューバに1ヶ月間旅に行きました。この記事はInstagramの投稿の引用なのですが、その旅について書いたので、読んでもらえると嬉しいです。

 

 

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在住経験ある方が言っていた通り向こうから話しかけてくる人は、そうでない人ももちろんいたが、金銭的な事を最終的にお願いされるのがオチの場合が多かった。最初の方はうまい手口や同情を求められ、初めての海外1人というのもあって向こうのお願いに何回か応じてしまった。野球を通じて仲良くなった同世代の若者たちには結局うまいように俺を使ってるのを察して、お金を超えた友情関係が理想の俺にキューバの現実が突き刺さった。カサ(安宿)のベッドで落ち込んだ日もあった。そんなことが何回もあり、そういう経験があるごとに大きな壁にぶちあたるような気持ちをした。しかしこのままではなにも得られないと思った俺はつたないスペイン語に辞書、ジェスチャー、パッションでなんとか彼らの懐に飛び込もうとトライした。その結果、その気持ちに応えてくれる人もでてきた。  野球をしたい!という強い気持ちが伝わったのか立派な球場で地元のプロ野球のチームの選手やU-18キューバ代表で日本にも来たことあるような選手と野球をする事ができた。野球の後、彼らに俺の思いを話し、彼らもまた今置かれてる、とても良いとは言えない状況でのプロ野球選手としての葛藤を話してくれた。

 ハバナでは、カサまでの帰り方を尋ねたら一緒に帰ってくれた上に家にあげてくれてご飯をご馳走してくれた人もいた。自分たちの食料で精一杯な人達が多いこの国で。さらにある公園ではWi-fiカードを売っていたお兄ちゃんとカードを買ってないにもかかわらず意気投合して、俺のために地元の人が乗るタクシー(外国人用のタクシーは値段が高い)をつかまえてくれた。さらには3週間後の結婚式の立会いにも招待してもくれて、途中ケータイをなくして諦めていた彼との奇跡の再会もあって結婚に立会うこともできた。

 さらに観光客もいないような町では、スマホを盗られて家族と音信不通になった話をしたらスマホを貸してくれて2週間ぶりに家族に無事を伝えられた。外国への電話料金は彼らにとってはかなりの負担になる値段なのに。

これら経験は本当に友情というものを感じさせてくれるような人たちとの出会いだった。そんな中、滞在も終盤に差し掛かった日のことやった。路上でビールを片手に喋っていた40歳くらいの黒人2人組に日本人か?と話しかけられた。また最後にお金をねだられるだろうと思ったがその時は逃げたらいいと思い、立ち止まって話すことにした。幸運にも2人のうち1人は英語を同レベルで話せ、日本人が好きというのもあり話が弾んだ。そんな彼らからビールも奢ってもらい調子に乗った俺はキューバの事をどう思うか尋ねた。社会主義国キューバでは政府の話はムショ行き覚悟のタブーやけど。でもキューバ滞在中は話が弾んだ人に限ってちょこちょこその話題を挟んで、彼らの意見を聞き出そうとした。その中で彼の言葉はとても印象的やった。彼は、キューバが良くなるためには腐った政府が変わるしかないと言っていた。「警察は腐敗してる、俺らの生活のことなんて考えてない、俺らの働いた金は政府に取られてる。」さらにこんなことも。「キューバのマフィアのボスはカストロや。」と。革命を批判する人は見られなかったが、確かにキューバのヒーロー、カストロを称えない人も若い人にはいた。しかしここまで痛烈な批判は彼が初めてやった。ラテンアメリカではだいぶましなはずの黒人への差別もあると言っていた。

 最後に、キューバの人とお金の現実を見て壁にぶちあたったことを話した。「時には金関係でつるむようなキューバ人に腹立つ。」と俺の心の内を彼に言った時こう言い返された。「チカシ、キューバで生きる上で一つ大切な事を教えてやる。それは“survive”だ。キューバ人は皆生きるために必死なんや。」この言葉でなにか、もやもやしていたものが少し消えたような気がした。俺は、友情関係は国境やお金のことを超えて成り立つのを理想としていた。しかしそれはお金の持つ日本人の私だから言えるたわごとだったのだとこの言葉に気づかされた。さらにバケーションで来てるような外国人が一日会ってちょっと仲良くなったからって友情関係を築けると思ってた事自体甘すぎたと気付き恥ずかしささえ覚えた。

しかし、先程話したように彼らの優しさに触れられた経験もまたまぎれもない真実やった。なのでこの事を聞いた時に、ではより良い関係を気付くために必要なことは何かを考えるような考え方にシフトする事ができた。

 今まで国境を超えても成り立つ友情もたくさん経験してきた。しかし国の状況なども関係してそれが成り立ちにくいこともあるのだと分かった。なので、この経験を無駄にせず、良い意味でも悪い意味でもお世話になった彼らに何か自分が出来ることを考えていこうと思う。 .

 帰り際、出会って間もない外国人の私に気持ちをぶつけてくれた彼らに3cucを渡して別れを告げた。19歳の私が40歳近くのおじさんに金をあげ、彼らがそれに対してハグしてまで喜ぶという光景は今のキューバの状況を反映してるかのようで皮肉やった。でも彼らに対しそうしたくなる気持ちを抑えられない俺がいた。

 

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 長くなりましたが、読んで下さってありがとうございました。

 

 次回もよろしくお願いしまっ!